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腫瘍科

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・腫瘍科

(1)当院の腫瘍科について

犬では約50%、猫で約30%程度がガン(腫瘍)で死亡・苦しんでいるといわれています。当院では、検査・診断・治療・手術といった一連の流れで治療を行っております。「良性か悪性か?」、「どの程度の悪性度か?」、「どんな種類なのか?」「どの部位なのか?」など、どのような状態かを検査・診断し、どのような治療方法があり、飼主様がどのような方法をご希望か、などを相談しながら、診療を進めていきます。ご不明点ございましたらご遠慮なくご相談ください。

代表的な症例
リンパ腫、乳腺腫瘍、肥満細胞腫、肛門周囲腺腫、鼻腔内腫瘍、肝臓腫瘍、脾臓腫瘍、精巣腫瘍

(2)よくある症例と原因について

【リンパ腫】
原因と症状

リンパ腫とは血液中にある白血球の1種であるリンパ球が腫瘍性に増殖する悪性腫瘍です。犬の腫瘍中では発生率が高く、中~高齢(5~10歳齢)の頃に発生が多いとされています。原因ははっきりしておらず、遺伝的な要因や発がん物質の摂取などが考えられています。
リンパ節に発生する「多中心型」は体表のリンパ節の腫れ、発熱や食欲・元気低下、腸に発生する「消化器型」は嘔吐下痢、皮膚に発生する「皮膚型」は皮膚に湿疹、脱毛、痛みや痒みを引き起こします。それ以外に発生する「節外型」では、鼻腔内に発症すれば鼻出血やくしゃみ、赤目(目にできる場合)といった症状があります。初期症状は無症状の場合もありますが、いずれも食欲低下を引き起こし、進行するにつれて痩せていきます。

<多い犬種>

ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ボクサー、セント・バーナード、スコティッシュ・テリア、シェットランド・シープドッグなど

<治療法>

治療は、全身に回る癌のため、抗がん剤で治療するのが一般的です。残念ながら完治が難しいですが、“寛解”という症状が安定して落ち着いており、見た目上は治っているように見える状態を維持させることを目標とします。犬のリンパ腫で最も多い多中心型リンパ腫では、抗がん剤治療による平均的な生存期間(中央値)が約1年となっています。無治療では平均的な余命が1〜2ヶ月といわれています。


【乳腺腫瘍】
原因と症状

雌犬の腫瘍では発生が最も多い腫瘍です。
高齢の雌、特に避妊手術をしていない場合に多く発生します。原因はホルモンの影響が大きいと考えられています。良性と悪性の割合はほぼ50%で、多くの乳腺腫瘍は早い段階に手術を行うことで治すことができます。乳腺にしこりができたら乳腺腫瘍の疑いがありますので早めに病院へ連れて行きましょう。

<多い犬種>

プードル、イングリッシュセッター、ボストンテリア、コッカースパニエルなど

<治療法>

外科的切除が治療の第一選択です。早期発見、早期切除が重要となります。良性腫瘍では、早期切除で経過が良好な場合が多いですが、悪性腫瘍では、摘出しても再発や他の組織に転移をすることがあり、経過が悪い場合もあります。手術以外に化学療法(抗がん剤)や放射線治療を行なうこともあり、また手術と化学療法を組み合わせて行なう場合もあります。


【肥満細胞腫】
原因と症状

体の中の肥満細胞が腫瘍(がん)になってしまったものが肥満細胞腫です。肥満細胞とは肥満とは関係なくアレルギーや炎症などに関与している細胞で、体の中のいろいろなところにあります。
肥満細胞はヒスタミンやへパリンなど、様々な物質を含んでいます。肥満細胞腫は皮膚にできることが多く、全皮膚腫瘍の16〜21%を占めます。皮膚に見られる場合はしこりや炎症、体内に見られる場合は嘔吐や下痢、食欲不振の症状がみられます。原因ははっきりしておらず、高齢犬に見られることが多いです。

<多い犬種>

パグ、ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバーなど

<治療法>

悪性度が低く、転移がない場合には、転移や再発を予防するために腫瘍周辺の正常組織ごと外科的に摘出します。 悪性度が高く転移などがあり摘出が難しい場合には、抗がん剤やステロイド剤を投与する化学療法を行ったり、放射線療法を行ったりしますが、完治は難しいといわれています。


【肛門周囲腺腫】
原因と症状

肛門周囲腺が腫瘍化した良性の腫瘍です。原因ははっきりとは分かっていませんが、性ホルモンが関係しており、未去勢雄の高齢の犬で、よく発生がみられ、雌ではまれです。腫瘍自体に痛みはなく、肛門回りにできものができることで分かります、犬が気にしてひっきりなしに舐めたり、腫瘍から出血したり、感染が起こったりします。肛門周囲腺腫は、ゆるやかに大きくなっていき、かなり大きくなると排便がしにくくなることがあります。

<多い犬種>

ミニチュア・シュナウザー、ビーグル、プードル、コッカー・スパニエルなど

<治療法>

多くの場合、腫瘍の外科的摘出を行います。また、多くの場合、発症に雄性ホルモンが関与しているため、男の子の場合には、腫瘍の摘出手術と同時に去勢を行います。


【鼻腔内腫瘍】
原因と症状

鼻腔内腫瘍とは、鼻の中の良性または悪性の腫瘍(できもの)を指します。
といっても、犬の鼻腔内腫瘍のほとんどは悪性で、良性のもの(ポリープなど)はまれです。
中年齢から高年齢に多く、さらに雌よりも雄に多いといわれています。最もよくみられる症状は、腫瘍の部分から出血して起こる鼻出血、鼻汁の増加、感染による膿のような鼻汁などです。
鼻腔内で腫瘍がかたまり状に大きくなると、空気の通り道を邪魔したり塞いだりすることで、くしゃみやいびき、呼吸困難を引き起こすことがあります。原因は不明なことが多いです。

<多い犬種>

シェットランド・シープドッグ、ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、コーギー、ダックスフレンドなど

<治療法>

鼻腔内腫瘍の治療法には、放射線療法、抗がん剤などの化学療法、その他の治療法(トラセニブリン酸塩、NSAIDs等)があります。


【肝臓腫瘍】
原因と症状

肝臓に発生する悪性腫瘍には肝細胞癌、胆管細胞癌、カルチノイド(神経内分泌腫瘍)、肉腫(血管肉腫、平滑筋肉腫など)、転移性腫瘍があります。腫瘍は元になる細胞によって特徴が異なるため、同じ臓器の腫瘍でも由来する細胞によって治療や今後の経過(予後)が変わります。食欲不振や嘔吐、下痢、黄疸などの症状がみられたら注意が必要です。肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるほどダメージに強く症状が出にくいため、気づいた時には病気が進行しているケースがほとんどです。しかし、症状が出る前に健康診断で見つかりやすい病気でもあります。

<多い犬種>

ゴールデン・レトリバー、ラブラドール・レトリバー、ジャーマン・シェパード、ミニチュア・ダックスフント、ミニチュア・シュナウザーなど

<治療法>

腫瘍の治療には外科療法、化学療法、放射線療法(腫瘍の3大療法)、免疫療法、温熱療法、分子標的療法など様々なものがあります。


【脾臓腫瘍】
原因と症状

脾臓腫瘍は犬の腫瘍の中でも比較的発生頻度の高い腫瘍の一つです。脾臓からの出血がない場合には、症状がない事もありますが、大きくなった腫瘤により腹部が腫れてきたり元気や食欲が低下することもあります。腹腔内で出血を起こすと通常ピンク色をした歯茎の色が白っぽくなったり、急激にぐったりすることもあります。より重度の場合は呼吸障害を起こしたりショック症状が起きることがあるので早急に治療しましょう。

<多い犬種> ラブラドール・レトリバー、ゴールデン・レトリバー、ジャーマンシェパードなど <治療法>

腫瘤が大きい場合や出血を起こしている場合には内科治療は難しく、緊急的な手術が必要になります。手術では巨大になったり出血を起こしている脾臓を全摘出するのが一般的です。腹腔内出血により重度の貧血や出血性ショック症状を起こしている場合は、まず輸血や輸液剤の投与により状態を安定化させることも重要です。
良性の血腫や結節性過形成であれば、外科手術によって完治も可能です。


【精巣腫瘍】
原因と症状

犬における精巣腫瘍は去勢をしていない雄犬において2番目に多く遭遇する腫瘍と言われています。主にセルトリ細胞腫、精上皮腫(セミノーマ)、間細胞腫と呼ばれる3種類の腫瘍に分類されます。精巣が左右とも陰のうにある場合、左右の精巣のサイズが異なったり、明らかに大きくなったりすることで分かることが多いです。脱毛、皮膚の色素沈着、乳房の雌性化や貧血をおこすことがあります。

<多い犬種>

ドーベルマンピンシャー、シェルティー、スコティッシュ・テリア、ビーグルなど

<治療法>

犬の精巣腫瘍の治療は腫瘍の外科的摘出が第一選択となります。精巣腫瘍は転移の可能性が少なく、去勢手術(外科的摘出)によって大半は治癒するとされています。
しかし、稀に転移が認められる症例も存在し、そのような症例は精巣に加えて転移部位の外科的切除も考慮し、追加の放射線治療や化学療法による治療を必要とする場合があります。