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代表的な疾患

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・腫瘍

リンパ腫

原因と症状

リンパ腫とは血液中にある白血球の1種であるリンパ球が腫瘍性に増殖する悪性腫瘍です。犬の腫瘍中では発生率が高く、中~高齢(5~10歳齢)の頃に発生が多いとされています。原因ははっきりしておらず、遺伝的な要因や発がん物質の摂取などが考えられています。
リンパ節に発生する「多中心型」は体表のリンパ節の腫れ、発熱や食欲・元気低下、腸に発生する「消化器型」は嘔吐下痢、皮膚に発生する「皮膚型」は皮膚に湿疹、脱毛、痛みや痒みを引き起こします。それ以外に発生する「節外型」では、鼻腔内に発症すれば鼻出血やくしゃみ、赤目(目にできる場合)といった症状があります。初期症状は無症状の場合もありますが、いずれも食欲低下を引き起こし、進行するにつれて痩せていきます。

<多い犬種>

ゴールデン・レトリーバー、ラブラドール・レトリーバー、ボクサー、セント・バーナード、スコティッシュ・テリア、シェットランド・シープドッグなど

<治療法>

治療は、全身に回る癌のため、抗がん剤で治療するのが一般的です。残念ながら完治が難しいですが、“寛解”という症状が安定して落ち着いており、見た目上は治っているように見える状態を維持させることを目標とします。犬のリンパ腫で最も多い多中心型リンパ腫では、抗がん剤治療による平均的な生存期間(中央値)が約1年となっています。無治療では平均的な余命が1〜2ヶ月といわれています。